□ 子は親権者となった者が監護します。しかし、幼児の親権者に父親がになった場合などは、親権者とは別に監護者を定めることができます。
行政書士は街の身近な法律家
埼玉県行政書士会所属
行政書士渡辺事務所
行政書士・渡邉文雄
1. 親権の「身上監護権」を切り離して監護者を定める
一般的には離婚後親権者となった者が監護しますが、幼児の親権者に父親がになった場合など、母親が監護するのが適切な場合があります。
そうした場合、親権の「身上監護権」を切り離して、親権者とは別に監護者を定めることができます。
これにより、父親が親権者として子どもの法定代理人や財産管理などの行為を行い、母親は子どもを引き取り、監護者として身の回りの世話や教育を行うことができます。
しかし、親権者と監護者を分けるのはまれです。子どもの氏やその他の問題もあるので、やむを得ない特殊な事情がある場合に限るべきと考えられています。
なお、父母ともに、経済的理由や健康上の事情で子どもの監護・教育ができないときは、その承諾により、祖父母やおじ、おば、施設等でもよいとされています。
監護者は離婚届に記載する必要はありません。
法律上の義務はありませんが、後のトラブルを避けるため、離婚協議書に記載しておくことをおすすめします。
監護者は父母の話し合いで決めますが、決まらないときは家庭裁判所に決めてもらいます。
2. 親権の身上監護権を切り離して監護者を定める場合の問題点
離婚後、監護者が自分と同じ氏に変えたいと思っても、親権者でない監護者には法定代理権がないためできません。