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埼玉県行政書士会所属
行政書士渡辺事務所
行政書士・渡邉文雄
関連情報
遺 言 書
遺言者〇〇〇〇は以下のとおり遺言する。
第1条 遺言者は、遺言者の相続開始時に有する、下記の不動産・預貯金、その他一切の財産を、孫〇〇〇〇(平成△△年△月△日生)に包括して遺贈する。
記
1. 不動産
(1) 土地
所在 〇〇市〇〇町〇〇丁目
地番 〇〇番〇〇
地目 宅地
地積 〇〇〇.〇〇平方メートル
(2) 建物
所在 〇〇市〇〇町〇〇丁目〇〇番地〇〇
家屋番号 〇〇番〇〇
種類 居宅
構造 木造瓦葺二階建
床面積 一階 〇〇.〇〇平方メートル
二階 〇〇.〇〇平方メートル
2. 預金債権
(1)AB銀行銀行〇〇支店に対する遺言者名義の定期預金(口座番号〇〇〇〇)のすべて
(2)CD銀行銀行〇〇支店に対する遺言者名義の定期預金(口座番号〇〇〇〇)のすべて
(3)EF銀行銀行〇〇支店に対する遺言者名義の定期預金(口座番号〇〇〇〇)のすべて
第2条 遺言者は、この遺言の遺言執行者として、孫〇〇〇〇を指定する。
2. 遺言執行者は、遺言者の有する預貯金の名義書換、解約、換金・払戻し及び換価金・払戻金の受領等その他この遺言の執行に必要な一切の権限を有する。
第3条 遺言者は、祭祀を主宰するべき者として、孫〇〇〇〇を指定する。
令和△△年△△月△△日
(遺言者住所)
遺言者 〇〇〇〇 ㊞
ここが遺言(相続)のポイント
□ 遺言が「包括遺贈」であるか「特定遺贈」であるかの区別は必ずしも容易ではない。・・・包括遺贈である趣旨を明確にしておくことが望ましい。
(参照:NPO法人 遺言・相続リーガルネットワーク( 2017)『改訂 遺言条項例300&ケース別文例集』日本加除出版。147-148頁)
□ 全財産を相続させる遺言や包括遺贈の遺言の場合、不動産、預貯金等について特定する必要はありませんが、相続人にその存在を明らかにしておきたいときは記載します。これによって、遺言執行を円滑に進めることが期待できます。
※預金は、遺言書で特定しておかないと、相続開始後、預金の開示を請求する際に、被相続人(亡くなられた方)が生まれてから亡くなるまでのすべての戸籍謄本と、相続人全員の同意書(印鑑証明)が必要となります。
(相続開始時に有する一切の財産)
「相続開始時に有する」の文言は、遺言作成後に取得する財産も含むことを明確にした表現です。「有する一切の財産」は、全財産を相続させる遺言又は包括遺贈であることを明確にした表現です。 単に、「所有する財産を相続させる」と表記した場合は、特定遺贈と解釈される余地があります。(特定遺贈には債務は含まれない)
ただし、「相続開始時に有する」の文言は、なくても解釈上問題はありません。
「遺言者の所有する財産」は、形式的には遺言者の有する、所有権の対象となるプラスの財産のみを指すこととなり、適切でありません。(参照:日本公証人連合会(2017)『 新版 証書の作成と文例 遺言編[改訂版]』立花書房.64頁)
(包括遺贈に関して)
「遺言者の所有する」と記載する例もあるが、承継される財産には積極財産のみならず消極財産(債務)もむくまれるから、適切でない。(参照:NPO法人 遺言・相続リーガルネットワーク( 2017)『改訂 遺言条項例300&ケース別文例集』日本加除出版。147頁)
本文例はあくまでも一例です。遺言者のご希望はもとより、推定相続人や遺贈したい人の状況、相続財産の状況などによって遺言文は違ってきます。
あなたのご遺族のあいだに相続争いが起きにくい遺言書、ご遺族が相続手続きをしやすい遺言書、あなたの思いを実現する最適な遺言書の作成を当事務所がお手伝いいたします。