□ 相続により法定相続人以外の人が自動車を所有することになる場合、二段階の名義変更手続きとなります。一旦、法定相続人の代表者に名義変更し、その後に法定相続人の代表者から所有する者に名義変更します。このダブル移転手続きは一度に行うことができます。
□ 廃車にする場合でも、相続による名義変更手続きをしなければ、廃車手続きを行うことはできません。
手続きをする際は、必ず運輸支局・検査登録事務所にお問い合わせください。
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埼玉県行政書士会所属
行政書士渡辺事務所
行政書士・渡邉文雄
関連情報
1. 相続による自動車の名義変更(所有権移転登録)について
相続人は相続した自動車の名義変更をする必要があります。 廃車にする場合でも、相続による名義変更手続きをしなければ、廃車手続きを行うことはできません。
2. 相続による自動車の名義変更手続きの申請先
名義変更の手続きは、新たに所有者となる方の住所地(使用の本拠地)を管轄する運輸支局で行います。軽自動車の場合は軽自動車審査協会で行います。
3. 相続による自動車の名義変更手続きにおける必要書類(単独で自動車を相続する場合)
① 自動車検査証(車検証)
② 遺産分割協議書(運輸支局所定)
③ 相続人全員の印鑑証明書
④ 被相続人(死亡された方)と相続人全員が記載されている、戸籍謄本または抄本(発行後3ヶ月以内のもの)
※ 戸籍謄本は、相続者全員の確認が取れない場合は原戸籍を取得する必要があります。
⑤ 自動車を相続される方の住民票(発行後3ヶ月以内のものであってマイナンバーが記載されていないもの)
⑥ 移転登録申請書(運輸支局所定OCR シート第1号様式)
⑦ 手数料納付書(運輸支局所定)※500円の自動車検査登録印紙を添付します。
⑧ 自動車税申告書
(上記に加えて)
① 代理人による申請を行う場合は、新所有者の「委任状」(認印を押印)
② 新所有者の印鑑(認印)※ 代理人による申請を行う場合は、代理人の記名でよい。
③ 自動車の定置場所が変わる場合は、「車庫証明」(保管場所証明書)
※ 住所等を管轄する警察署より証明を受けたもので発行後概ね1ヶ月以内のもの
※ 使用の本拠の位置に変更がないとして、自動車保管場所証明書の添付を省略する場合は、従前の当該使用の本拠の位置に引き続き拠点があることが分かる書面が必要となります。
④ 管轄する運輸支局が、 旧所有者と新所有者で異なる場合は、ナンバープレートの交換も必要となります。
※ ナンバー変更は封印が必要なので、申請時に自動車の持ち込みが必要です。
※ 同一陸運支局内の場合はナンバー変更は必要ありません。
⑤ 相続人に未成年者がいて、親権者と利益相反となる場合は、遺産分割協議書に裁判所から選任された特別代理人の実印が必要になります。
⑥ 自賠責保険証は名義変更の際は不要です。なお、別途自賠責の変更は必要です。
4. 諸費用等
① 名義変更手続きの申請には、登録手数料として500円(印紙代)が必要です。
② 名義変更によって運輸支局や検査登録事務所の管轄が変わるときはナンバープレート代が必要になります。ナンバープレート交付手数料(自動車登録番号の変更を伴うとき)約2,000円。
③ 自動車取得税は、相続による自動車の名義変更手続きにおいては課金されません。
5. 法定相続人以外の人に名義変更する場合
相続により法定相続人以外の人が自動車を所有することになる場合、二段階の名義変更手続きとなります。一旦、法定相続人の代表者に名義変更し、その後に法定相続人の代表者から所有する者に名義変更します。このダブル移転手続きは一度に行うことができます。ただし、書類としてはそれぞれの名義変更手続きの書類が必要です。