乳幼児期から10歳くらいまでは、特別の事情のない限り、母性的な役割をしている者を優先させ、それ以上は子どもの意思を尊重することとされ、15歳以上は子どもの意見を聞くこととされています。 きょうだいは原則として一緒にすべきと考えられています。
行政書士は街の身近な法律家
埼玉県行政書士会所属
行政書士渡辺事務所
行政書士・渡邉文雄
1. 子の事情
(1) 継続性
虐待など問題となるような特別の事情のない限り、現実に子どもを養育している者を優先させるべきとされています。
乳幼児期は養育の継続性を重視し、就学後は、住居、学校、友人関係などの継続性を重視するべきとされています。
(2) 母性的な役割優先と子の意思の尊重
特に乳幼児期の場合、特別の事情のない限り、母性的な役割をしている者を優先させるべきとされています。
10歳くらいまでは、特別の事情のない限り、母性的な役割を重要視し、それ以上になれば子どもの意思を尊重し、15歳以上の未成年の子は子の意見を聞くべきとされています。発言だけでなく、態度や行動などを総合的に判断すべきと考えられています。
母性的な役割優先の基準については、子が誰との間に心理的絆を有しているのか、いずれに親権者としての適格性があるのか具体的に判断すべきとの指摘がなされています。(出典:第一東京弁護士会人権擁護委員会[編](2016)『離婚を巡る相談100問10答 第二次改定版』ぎょうせい.76頁)
(3) きょうだいは原則として一緒に
きょうだいは原則として一緒にすべきと考えられています。継続性、子の意思等を総合的に判断すべきと考えられています。
2. 父母側の事情
(1) 親権者には、心身ともに良好な健康状態であることが求められます。
(2) 子どもと接する時間がとれることが求められます。
(3) 父母ともに仕事をしている場合、監護補助者がいる者を優先する。
(4) 有責かどうかは決定的基準ではありません。子供の幸せを優先基準として判断します。